10. 続・発展途上国とヘルメット―ベトナムの懲りない面々 さてさて、まずわが身の上の変化を話せば、愛着のあるGRIPS/VDFを離れ、2006年11月から某国際機関のプログラム・オフィサーとしてベトナム事務所に勤務することになった。所属は変われど、分野は製造業の振興、勤務地はハノイ、しかもVDFの事務所から徒歩5分と、ある意味 あまり変わりばえはしない。そして、K.O.教授が来越するため、おもわずパブロフの犬の条件反射のように「おいしいもの食べに行きましょー」とVDF事務所に出没してしまう。とても優しいK.O.教授はそんな私を見て、「仕事が無かったらVDFで掃除夫として雇ってあげるよー。」とニヤリと笑う。 さて、本筋に移ろう。ヘルメットの話を書いたのは2004年夏だか、2年半以上経た今も状況はさして変わらない。しかし、在越の国連機関では特筆すべき変化があった!なんと全職員に対し、ヘルメット着用を義務 づけたのである。これは画期的だ!私は時代の変化の目撃者だ!と本気で思った。きっかけは、MITからハノイ工科大学を訪問していた著名なSeymour Papert教授がハノイで交差点を渡ろうとして、バイクに跳ねられ、こん睡状態に陥ったことといわれる。私が出席した各種会議でも「なんと嘆かわしい!」とコメントが乱れ飛んでいた。そしてわが事務所でも全員がヘルメットを買った。バイク に乗らない私も、一応購入した。某日系機関のH氏は、「えー、でも話の筋から言うと、歩行者にヘルメットを義務づけるべきなんじゃないですか?」というが、まあまあ、いいじゃないですか・・。 しかし、それから数週間たった後の国連機関の代表会合に出席していたときの会話である。
いやはや、習慣というものはそう簡単には変わらないものである。そういえばわが事務所で、最近あまりヘルメットを見かけないような気が・・・・。また、ベトナムで販売されているヘルメットの多くは国際基準を満たしていないことも指摘された。さらにある人は、「ベトナム人は親子で3人乗り(父母子供)していて、子供の頭に携帯用の蚊帳をかぶせているだろ。よくわからんなー、蚊に刺されることや埃を気にする前に、転んだことを考えてなぜヘルメットをしないんだ??」と疑問を投げかけていた。全くその通りである。 まあ暑い国ってしかたがないなー、ましてやタイやマレーシアほどの発展していないし・・・とおもっていたのだが、先日ラオスの首都ビエンチャンを訪問してびっくり。なーんと、ヘルメットの着用率は、見た目でおそらく80%以上!なんでだろー、政府が規制しているのかな??だれか知っていたら教えてください。ベトナム人の皆さん、もしかしたらラオスから学ぶこともあるのでは? (写真: ビエンチャンにて) (2007年2月) |