2002年12月1日「第13回国際開発学会 全国大会」
セッション11「PRSPと日本の貢献」

セッション概要

座長:柳原透(拓殖大学)
報告1:柳原透(拓殖大学)
報告2:栗原充代(国際協力銀行)、山形辰史(アジア経済研究所)
報告3:大野泉、二井矢由美子(政策研究大学院大学)
報告4:笹岡雄一(国際協力事業団)
コメンテーター:石川滋(一橋大学名誉教授)、弓削昭子(UNDP駐日代表)

セッションの狙い:貧困削減への国際社会全体としての取組みに、日本がいかに関与し貢献しうるか/すべきかにつき、さまざまな観点から検討しまた提言する。

貧困削減への国際社会全体としての取組みは、世界銀行を中心として推進されている「PRSP(貧困削減戦略文書(Poverty Reduction Strategy Paper))体制」として制度化されるに至った。 この体制には、@ 共通の目標(MDGs)の設定、 A 目標達成に向けての政策・プログラム・プロジェクトの選定・実施、B 資金支援を受ける上での適格条件、C 援助協調、の4つの側面が含まれる。国際レジームとしての「PRSP体制」の下で、70におよぶ低所得国で PRSP の作成と実施が進められようとしている。 本セッションでは、国内レジームとして「PRSP体制」がどのように形成されようとしているかを確認し、上記の各側面につき意義と課題を明らかにし、日本としての関与・貢献のあり方を検討しまた提言する。

主な検討課題(1):貧困削減への2つのアプローチの効果と適用可能条件の確認
貧困削減へのアプローチとして、経済全体の成長(Broad-Based Growth あるいは Pro-Poor Growth)を重視する見解と、貧困層に的を絞った支援措置・財政支出(Targeted Pro-Poor Measures/Expenditures)を重視する見解とを対比し、それぞれから期待される効果と適用にあたっての前提条件につき、事例を踏まえた実証モデルに依拠して考察し、理解を確かなものとする。

主な検討課題(2):開発課題の中でのPRSP (体制) の位置付けと日本の関与・貢献の方向と方法
開発目標を貧困削減のみに収斂させることの是非、開発の全体像との関係でPRSPの性格と役割などに関して論点と判断基準を明確にし、国際社会そして被援助国との関係の一環としての、貧困削減への日本の関与・貢献の方向と方法について、提言をしまた課題を明らかにする。

戻る