GRIPS開発フォーラム
2004年4月5日


英国、ガーナ、タンザニア出張報告


GRIPS開発フォーラムで本年取組む援助モダリティ調査の予備調査として、2004年2月22日〜3月7日の期間に英国(ロンドン)、ガーナ、タンザニアを訪問しました。訪問先では現地政府(財政・計画担当官庁、セクター省庁等や研究機関、主要ドナー(世銀、DFID、CIDA等)および日本大使館、JICA事務所と面会し、援助アプローチとして財政支援を含む各種モダリティに対する考え方、実施経験について意見交換を行いました。また、ガーナ、タンザニア両国においては農業分野のプロジェクト視察の機会も頂きました。日本大使館、JICA(本部・事務所)を始めとして、当方出張に際し協力頂いた関係者各位に感謝いたします。

ガーナやタンザニアの現地では、日本の経協関係者の多くが援助モダリティの問題を開発効果という観点から真摯にとらえ、さらに個別案件と政策環境との整合性を含む横断的イシューに強い問題意識と意欲をもって取組んでおり、こういった姿勢は高く評価されるべきものと考えます。

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出張報告(pdf ファイル、46KB)

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その他、参考文献はこちら。

  • DFID評価局がDAC評価ネットワークと連携して、ドナー合同で一般財政支援の評価調査を予定。調査期間は2004年前半から2005年末(または2006年初)まで。なお、一般財政支援を評価する枠組みを提示した文献として、ODI/Europe Aid Help Desk "Evaluation Framework for General Budget Support-Framework for Country-level Case Studies," (February 2004, DFIDホームページ)を参照されたい。

  • 世銀のアフリカ局が中心となってとりまとめたIDAの対アフリカ支援戦略枠 組みペーパー。これまでの経緯や世銀の対応につきまとめた上で、今後の支援の 柱として「ガバナンスの向上」「人々への投資」「成長と競争力強化」「援助の効率性の向上」の4つをあげており、特に「援助の効率性向上」においては政府のパ フォーマンスに応じた援助instrumentsの組合せ("Emerging Partnership Model")と結果重視について論じている。本ペーパーが実際のオペレーションにどのような影響力を持つかは、更なる見極め が必要である。 Strategic framework for assistance to Africa - IDA and the emerging partnership model, Vol. 1 of 1 (世銀ホームページ)

  • CIDAとしてのPBAs(Program-Based Approaches)への取組みや導入における留意点を解説したペーパー。CIDAは援助効果向上のためにプロジェクト型からプログラム型支援へのシフトを打ち出しているが、PBAsの概念をSWApよりも広義にとらえ、貧困削減戦略やセクター・プログラムのみならず、特定テーマや組織に基づくプログラムも対象としている。"CIDA Primer on Program-Based Approaches,"(2003, OECDホームページ)

  • ウガンダ保健セクターにおけるSWApの経験についての資料。Ugandan health units are reporting a doubling in patient visits. What lessons can be learnt by other sectors and by DFID (pdfファイル、91KB)

  • オランダ外務省が中心になり、基礎教育分野におけるパートナーシップの経験をドナー合同評価によりとりまとめた調査(ボリビア、ブルキナファソ、ウガンダ、ザンビアの事例分析を含む)。プログラム・アプローチの下でも、革新的な手法開発や受益者をターゲットした支援においてはプロジェクトが有効たりえると指摘している。Local Solutions to Global Challenges: Towards Effective Partnership in Basic Education(Sept. 2003)(オランダ外務省ホームページ)

以上